志望校選びの大きな〝過ち〟【代表北村の教育ちょこっとコラム】

いよいよ志望校選定の時期となりました。この期間、よく「うちの子はプレッシャーに弱いから、無理して上の学校へ入り、ギリギリでいるよりランクを下げて上位の成績で行かせた方が…」というお声を時折耳にします。納得される方も多いと思いますが、実はこれがとんでもなく大きな〝過ち〟。仮に受験時の偏差値がさほど変わらない2校でも、卒業時の進学先で大きな「違い」が生まれるケースがたいへん多いのが事実です。
中学校の学習と高校の学習は異なりますので、高校入試でギリギリの成績で入った生徒が、3年間ずっと下位の成績という例はあまりありません。よほどでない限り、入学時には多くの生徒のレベルが一旦スタートラインに並びます。ですから、ボーダーの成績で入学した生徒が、高3時にはトップレベルになっていることも珍しくありません。逆に言えば、ランクを下げて上位で入った高校なのに、気がつけば中以下の成績というケースも多々あります。このことは中学・大学受験でも同じように言えるのです。
公立高校のトップ校と2番手校での主要大学合格者数には大きな隔たりあります。少し努力すれば合格できる学校を避けて安全圏の学校を選ぶことは、大きな「ボタンの掛け違い」となります。決して現実的にはならず、高い目標に向けて努力する姿勢こそが、受験のみならず、将来社会人としてスタートした後も成功に直結します。「目標は少しでも高く!」がキーワード。大志を抱いて! みなさんの成功を祈っています。

子ども目線に合わせて【代表北村の教育ちょこっとコラム】

一般的には、母親のほうが子どもと向き合う時間が長い家庭が多いため、夏休みくらいは協力したいと考える父親は多い。親子にとって、とてもよいことです。ただし、問題を子どもに教えるときは、できるお父さんほど、注意していただきたい。たとえば小学生の場合、算数の問題などを中学校で習う数学の考え方を使って、ぱっと解いてしまいがちだからです。スマートですが子どもは意味がわからず、手法だけを丸暗記してしまい、結果的に応用が利かないことになってしまいます。
できる父親こそ、塾のテキストや参考書をよく読むことから始められてはいかがでしょう。受験対策用教材も歴史を重ね、その内容は子どもが理解しやすいように入念に研究され工夫されています。読めばその細かな工夫がわかり、子どもの目線に合わせて教えることができるはずです。
また、これまでに受けたテストの分析も父親がやってあげるとよいことの一つだと思います。常日頃は目先の点数や偏差値に一喜一憂しがち。どこが弱点で、なにが理解できていないのかをしっかり分析して、効率の良い学習につなげてあげる。そして、子どもは復習してもすぐ忘れるということを前提にイライラしないことです。感情をぶつけても逆効果で、決してできるようにはなりません。
残り夏休みは両親も役割分担をして、効率的に子どもを応援する計画を立てていただいてはいかがでしょう?

ミラーニューロン【代表北村の教育ちょこっとコラム】

もしお子さまが家で次のようなことをしていたら、どう思いますか?
●ゴロゴロしてテレビばかり見ている ●勉強しないで、好きなことしかやらない ●食事の時の行儀が悪い ●家族や周りの人にあいさつもできない ●いつも先生や友だちの不平・不満ばかりを口にする
こんな姿をヨシとする親はいません。注意をすると、「わかってる!」とか「うざい!」と言われ大喧嘩…。
基本的に、子どもは親の言うことを聞きません。生物学的にも子どもは親から独立するもので、ある時期から親が嫌いになるそうです。正常に成長すれば「親離れ」するのが当然なのです。では、どうすればいいのか…。
子どもは「大人の鏡」です。言ったことはきかなくても、親の行動に無意識に真似をするシステムが子どもに備わっています。子どもがドアを足で閉め、「行儀が悪い!」と注意したら、「お母さんだって」と言い返された経験はありませんか? 歳をとるにつれ「しぐさがだんだん親父に似てきた」と感じることはありませんか?
これは脳の中の『ミラーニューロン』のせい。ミラー(鏡)のニューロン(脳細胞)です。このミラーニューロンが子どもの行動や考え方に及ぼす影響は大きく、子どもの性格を作ってしまう、と言っても過言ではありません。つまり、例えば「子どもに勉強してほしい」と思ったら、子どもの前で自分が勉強する。「本を読ませたい」と思ったら、自分が読む。「あいさつをしてほしい」なら、自らがしっかりあいさつを行っている姿を見せる方が「口で諭すより効果的」だそうです。私も二人の娘のために、しっかり実践したいと思います!

クレームは『宝の山』

「モンスターペアレント」という言葉の出現で、クレームが言えない親が多くなったという記事を、以前目にした。モンスターと言われることを恐れ、学校や塾への申し入れができない親が増えているらしい。これでは、我が子の話に腹を立てても何も言えずに、教師への不信感が募るばかりではないだろうか。  恥かしながら当学院も、保護者の方からお叱りの言葉を頂戴することが年に数件。もちろん、モンスターではなく、冷静かつ丁重に、こちら側の言い分も聞いていただける姿勢で話されるのだが、正直そのご指摘内容にはかなり手厳しいケースもある。
誰しもクレームを受けるのは辛いもの。しかし、そのクレームにこそ、私たちの気付かない貴重なアドバイスが含まれていることが多い。クレームが、受ける側よりも、出す側に大きなエネルギーが必要であることも事実である。たとえばレストランに行って、料理がまずい・店員が態度横柄・異物混入…などで嫌な思いをした時、その場でクレームを言う人は日本ではわずか2割程度だという。つまり、8割の人は何も言わずに「もう二度とその店には行かない」という行動に出る。しかしこれでは、その店のサービスは永久に改善されない。
保護者の方からお叱りの言葉を頂戴した時に、私たちは最後に必ず「ありがとうございました」をお返しすることにしている。「勇気を出して叱って頂いたおかげで、私たちはさらに成長できる」ことへの感謝の証として。そして、その人たちとの絆はさらに深まる。だからこそ、『クレームは宝の山』なのである。

ブーイングばかりのサポーター【代表北村の教育ちょこっとコラム】

保護者の方から、「親は自宅で子どもにどのように指導すればよいか?」とのご相談を受けることがしばしばあります。すべてを塾にまかせるのではなく、「自分たちも子どもの学習状況をしっかり把握しておきたい」という前向きな意気に頼もしさを感じるのですが、「少しいきすぎ?」と思う方も、たまにいらっしゃいます。 このようなご質問をいただく折、決まってお応えするのが「なるべく我が子の学習する様子を見守ってあげてください。ポジティブに…」というご回答。私も経験上理解できますが、親という生き物は、我が子の学習する姿も学習しない姿もどちらをみても歯痒くてイライラしてしまうもの。そして、ついついアラばかりに目が行き小言を言ってしまう。特に、子どもと一緒に居る時間の多い母親にその傾向が強いようです。
言うまでもなく、親は我が子にとっては最大の応援者。にもかかわらず、彼がヒットを打ってもあまり歓声を上げず、エラーの時には目一杯ブーイングを浴びせてしまう。もしこれが、サッカーや野球などの試合だったら、ブーイングばかりを浴びせられる選手はたまったものではありません。もちろん成績も…。
サポーターの声援は、選手の能力を何倍にも増幅するパワーを持つと言われています。さまざまな好記録は、観客ゼロの競技場では決して生まれないと私は考えています。つまり、たまのブーイングも必要ですが、基本は声援主体で応援してあげてほしい。そうすれば、本人の力も、きっと素晴らしく向上することと思います。