「子どもたちの将来が見える…?」【代表北村の教育ちょこっとコラム】

30 年以上子どもたちの指導にあたっていると、彼らの「将来がちらっと見えてしまう」ことがよくあります。 当学院の年間スケジュールで、『やる気UPセミナー(年 2 回程度実施)』という恒例行事があり、私はその中 でよく生徒たちに、「君たちは、将来どんな職業に就きたい?」という質問をします。 子どもたちの回答は、現実的なものから壮大(?)なものまで多種多様。しかし、 それらは大きく 3 つに分類されることがわかります。
一つ目は、『リーダー職』。総理大臣・社長・監督などの「指導者」になりたい というもの。二つ目は、『クリエーター職』。建築家・科学者・アニメーターなど の「ものを創る仕事」。最後に『オペレーター職』。事務職・整備士・ドライバー など、「指示に従って働く仕事」となります。
どれが良い悪いという区別はないのですが、それぞれの生徒によって、質問の言い方には共通点があります。 リーダー職の生徒は、「○○していいですか?」と決め打ち。クリエーター職の生徒は、「どちらがいいですか?」 と選択を求める型。オペレーター職の生徒は、「どうしたらいいですか?」と、私たちに答えを求める型です。 彼らの言葉で、「将来がちらっと見える」。何だかちょっとおもしろいと思いませんか?

「視力が過去最悪 スマホが原因か?」【代表北村の教育ちょこっとコラム】

子どもたちの視力低下が止まらない。文科省がまとめた2015年度の学校保健統計調査によると、裸眼視力が「1.0未満」の小学生の割合は30.9%と過去最高になった。幼稚園児も増加傾向で、中高生は半数を超えている。専門家はスマホや携帯ゲーム機などの長時間利用が視力の低下の一因とみている。
1.0未満の小学生の割合は、調査を始めた1979年度は17.9%だったがその後は増え続け、12年度からは毎年30%を上回っている。幼稚園児も79年度の16.4%から15年度は26.8%に。ピークの08年度(28.9%)は下回ったが、依然として高水準だ。中学生は54.0%、高校生は63.7%だった。
日本小児眼科学会の前理事長で川崎医療福祉大の田淵昭雄名誉教授は「幼い頃からスマホなどの画面を長時間近くで見ていることが原因。家庭内でのルールを作ったり、なるべく外で遊ばせたりして、目を酷使させないでほしい」と指摘する。
一方、虫歯のある子どもの割合は改善傾向が続く。高校生は52.4%で過去最低を更新。幼稚園児は36.2%、小学生50.7%、中学生40.4%で、いずれも前年度より減少。70年頃は90%以上の子どもに虫歯があったが、学校での歯磨き指導や家庭での習慣づけが効果をあげているという。年齢別で虫歯のある割合が、最も高かったのは、9歳(57.6%)、最も低かったのは5歳(36.2%)だった。

「火事場の馬鹿力」【代表北村の教育ちょこっとコラム】

今からン十年前、中学1年生の夏に家族で香川の金刀比羅宮に旅行に行った時の出来事。夕食まで少し時間があったので、兄弟3人で土産物屋さん街をぶらぶら回っていると、にわかに焦げ臭いにおいが漂ってきました。よくみると、向かいのお店の奥から煙が出ています。「火事だ!」という大きな声。すぐに、まわりから消火器を持った人が数人集まってきたのですが、消火器が使えない。たちまち炎は大きくなり、火の手はお店の2階にまで拡がっていきました。
そして、「2階におばあちゃんが!」という女性の叫び声。でも、まわりは何もできずに狼狽するばかり。…その時です! そのおばあちゃんが一人で階段を降りてきたのです。それも何と大きなタンスを抱えて。結果、この火事でお店は全焼しましたが、幸いケガ人は出ませんでした。
あとで聞いたのですが、そのおばあちゃんは、命より大切な嫁入り道具の着物の入ったタンスを、どうしても見捨てられなくて、ものすごいパワーが出たようです。これぞ「火事場の馬鹿力」。授業などでたくさんの課題を与えると、「もう死んでしまう」とか「頭が爆発する」とか言う生徒がいますが、そんな子たちに私はこのおばあちゃんの話をします。「君たちの力に、限界なんてないんだ!」と。

褒め方で、子どもの脳が活性化する【代表北村の教育ちょこっとコラム】

今までに、お子様への「褒め方」や「叱り方」の重要性については何度もお話しいたしましたが、あらためてみなさんにぜひ知っておいていただきたいこと。それは、「褒め方」にも〝コツ〟があるということです。
かつて、米国スタンフォード大学の実験で、子どもに対する『褒め方の影響』に関して以下の2通りの褒め方をしたときに子どもたちにどんな変化が出たか…という調査の結果には、たいへん興味深いものがあります。
A.「90点。一生懸命がんばったわね!」
B.「90点。すごい。あなたは頭がいいわね!」
Aは努力や行動を褒めており、Bは素質や賢さを褒めています。結果、Aで努力を褒められた子どもは、より難しい問題にチャレンジするようになり、成績が30%伸びました。一方、Bで素質を褒められた子どもは、簡単な問題を好む傾向が表れ、成績は20%低下したそうです。
努力や行動を褒められた子どもは、自分の間違いを積極的に見つけて、自ら学んでいく姿勢を身につけます。一方、賢さを褒められた子どもは、間違いから目を背け、失敗を避けて自尊心を維持しようとしてしまうのです。「褒め方」ひとつで、子どもの脳が活性化する。褒めることにも、どうやら綿密な作戦が必要なようですね。

「かりてきたネコ」の心得【代表北村の教育ちょこっとコラム】

以前も、「なかなか難しい…子どもへの叱り方」というタイトルでお話しをさせていただきましたが、新たな叱り方の原則に、「かりてきたネコ」という心得があるそうです。私自身、この原則にたいへん共感をしましたので、ご紹介させていただきます。
●か…感情的にならない   ●り…理由を話す   ●て…手短に叱る
●き…キャラクター(性格や人格)に触れない   ●た…他人と比較しない
●ネ…根にもたない    ●コ…個別に叱る

これはもともとビジネス学で、「部下を叱る際の教え」として考え出されたもののようですが、塾での生徒指導やご家庭での子育てにおいても十分有用な原則であると思います。
その他に、自分自身に対する行動原則として、「あおいくま」という心得もあるそうです。
●あ…あせるな  ●お…おこるな  ●い…いばるな  ●…くさるな  ●ま…まけるな

このような素晴らしい教えを知るたびに、「なるほどぉ~。奥が深いなぁ~」としみじみ感じ、それと同時に己の勉強不足に、ほとほと気付かされてしまう今日この頃です…。

『親を尊敬』。日本は最低の37%…【代表北村の教育ちょこっとコラム】

国立青少年教育振興機構(東京)が実施した調査で、日・米・中・韓各国の高校生の親子関係に関する意識の差が浮き彫りになる結果となりました。
昨年9~11月、4か国の生徒計7761人に調査。「親を尊敬しているか?」との質問に、「とてもそう思う」と回答した日本人生徒の割合は37.1%で4か国の中で最低だったそうです。最も尊敬度が高かったのはアメリカで70.9%。中国は59.7%、韓国は44.6%という結果で、米中の高校生の親に対する尊敬度と比較しても日韓、特に日本の子どもたちの意識が非常に低いという残念な結果があらためて顕著となりました。
「親が高齢となり、世話をすることになった場合どうするか?」の質問にも、「自分でしたい」と答えたのは日本人生徒が37.9%。こちらも中国の87.7%や韓国の57.2%を大きく下回る結果となったようです。
同機構の分析では、「明確な縦の親子関係が薄れ、友だちのような横の関係に変わりつつあるのでは?」とのことですが、日本の将来を占う上においても看過できない大きな問題ではないでしょうか?
「日本は世界で一番の国」であると信じ続けていた自分にとって、この結果はたいへんショックなものでした。私も2人の娘を持つ親。この機会に、親子のあり方について今一度考えてみようと思います。

『美談』になりきれなかったお話【代表北村の教育ちょこっとコラム】

かつて、私がこの教室の近くに初めて塾を開いて間もない頃のお話です。当時、教室の斜め向かいにあった「ザ・シューズ」という靴店で教室履きのスリッパを探していた時、にわかに大きな声が店内に響き渡りました。
様子を伺ってみると、どうやら近くの高校生がスニーカーを万引きしたのを見つかったようで、店長らしき人がその高校生を厳しく叱っています。「今すぐ警察に来てもらう!」。店長はかなり興奮した様子でした。
その時私は仕事柄…というか、その現場に駆けつけて、「その靴はおいくらですか?」と一言。そして、財布から代金の2千円を店長に渡して、その高校生を放免してもらいました。「もうこんなことをするなよ」。彼は、複雑な顔で軽く会釈をして店を走って出て行ったのを覚えています。
それから約1週間後、塾の教室に彼が母親と一緒に来訪し、何度も謝られた後に、「お返しします」と言って2千円を差し出されました。しかし私は、「そのお金はお母さんのお金ですよね。私は、彼が将来社会人になり、自分で稼いだお金で返してほしいと考えています。何年、何十年かかってもかまいません」と言って受け取らず、そのままお帰りいただきました。この二人は、親一人子一人の母子家庭だったようです。
…ここまでの話を聞くと、「美談だなぁ~」って思われますよね。もちろん、すべて事実です。
ところがそれから25年。その彼は未だに私の前に登場してくれません。もう40歳は超えているはずですが。
悲しいかな、「美談」になり得るって、なかなか難しいものです…。

『塾対策』って何?【代表北村の教育ちょこっとコラム】

私たち特進館学院には、「学校や他塾の批判は絶対にしない」という〝鉄板ルール〟があるのですが、今回は、自分のプライドのために子どもたちを犠牲にする、ちょっと許せない先生のお話しを、批判ではなく、「客観的な事実」としてお話しさせていただきたいと思います。
毎年私は、おもに中学理科の授業を担当していますが、クラスの中で特定の中学校の生徒のみ極端に理科の成績が悪い時期がありました。不思議に思って生徒に話を聞いてみると、その学校の一部の先生が教科書の学習指導単元順を無視して、ランダムに授業を行っている事実が判明。理由は、『塾対策』のためだそうです。
「塾に通っている生徒だけに良い点数を取らせたくない」という気持ちは立場的にはわかりますが、このおかげで生徒は塾で学習する単元と学校で習う単元とがまったく違う状況に追い込まれ、どの単元も理解度はグダグダ状態。オマケに、定期テストでは私たちも悩むような難問のオンパレードで平均点は30点そこそこ。生徒の理解度も把握できていなくて、あえて理科嫌いをあおっているようなものです。
『塾対策』って、いったい何なのでしょう? 無意味な施策で、子どもたちが苦しむ姿を見て、とても悲しい気持ちになったことを、今でもはっきりと覚えています。ちなみに、私たち塾関係者やテスト作成業者などが、こんな低い平均点のテストを作ったら、間違いなく〝クビ〟になります…。

短時間睡眠法【代表北村の教育ちょこっとコラム】

頭が痛い、お腹が痛い、吐き気が…。人間には様々な苦痛があります。いずれも辛いものですが、「眠いのに眠れない」という苦痛は、そのどれよりも苦しいのではないでしょうか? 私は、中3受験生の時に書店で『短時間睡眠法』という本を読んだことがあります。いかにも受験生受けしそうなタイトルにひかれての衝動買いでしたが、これが意外と受験勉強に役立ったことを記憶しています。
本の内容を要約すれば、「人間の睡眠は約1.5時間のサイクルでできているので、その倍数分の睡眠を取ればスッキリ目覚められる」というもの。グラフをご覧ください。睡眠には「レム睡眠(浅い眠り/夢を見る状態)と「ノンレム睡眠(深い眠り)」があり、それらの睡眠が同じ周期で繰り返されます。だから、1.5時間の倍数を外れて深い眠りのタイミングで目覚まし時計を合わせてしまうと目覚めが悪くなるというわけです。
たとえば、4時間しか眠れないとわかっている時には、あと1時間だけがんばって、3時間(1.5時間×2)休んだ方が、結果的に体は楽になるという要領です。当時の私は、この理論にとても助けられました。『短時間睡眠法』。みなさんも一度お試しになってみてはいかがでしょうか?

なかなか難しい…子どもへの叱り方【代表北村の教育ちょこっとコラム】

教育に携わる人間として、『叱る』という行為は私たちの大事な仕事の一つです。でも、これがなかなか難しい。ご家庭でも同様ではないでしょうか?
うまく叱れば子どもたちはそれを機にイキイキと成長する。しかし、ひとつ間違うと取り返しのつかないことに…。そこで、叱り方の注意点『十箇条』なるものを見つけましたので少しご紹介いたします。

●子供にやってはいけない叱り方、十箇条
1. 感情的に叱る
2. 子供の言い分を聞かずに叱る
3. くどくどといつまでも叱る
4. 自分の都合で叱る
5. 両親が一緒になって叱る
6. 誰かと比べて叱る
7. 昨日と今日で言うことを変えて叱る
8. 全人格を否定する言葉や子どもを突き放す言葉を使って叱る
9. 昔のことまで引っ張り出して叱る
10. 愛情のない体罰で叱る
《映画『うまれる』シリーズ Facebookより抜粋》

いかがでしょうか? 多少耳に痛い部分もあるかもしれませんが、私たち大人がその一つひとつに気をつけて、〝正しく叱る〟ことで、子どもたちは「気づき」を得て、新たな階段を昇ることができるのだと思います。
「大人も子どもと一緒に成長していく」という謙虚な気持ちで、できる限り、実行していきたいものです。最後になりましたが、叱ったあとの『フォロー』は絶対必須アイテム。そして、『ほめる』こともお忘れなく!