関西の人が、この上なく料理のおいしい店を心の底から称賛する言葉のひとつに、「うまいもんはうまい!」というのがあります。ほんとうにうまい料理は、理屈抜きにこんな言葉が口に出る。私も大阪人の端くれとして、たいへん納得できる、わかりやすい言い回しです。
私たち特進館学院は、そんな進学塾を目指しています。ご父母や生徒たちから、「ええもんはええ!」と言ってもらえたら、この上なくうれしいですから!
そのために、私たちは「授業の質」にはこだわります。しかし、授業だけでは決して成績は上がりません。それ以上に、授業で学んだ内容をしっかり〝自習〟して、理解を定着させることが、最も重要な学習方法であると考えています。
そのために、「楽しく通塾できる環境づくり」や「長時間自習していても、疲れを感じさせない空間づくり」、「気がねなく、先生と生徒が会話できるムードづくり」などにも、一生懸命力を注いでいます。これらの努力は、全国のどんな塾にも劣らないと自負しています。
このような学習環境への取り組みをあわせて、〝塾の空気〟と呼びます。私たちは、そんな〝空気〟を大切にしながら、これからも、子どもたちの夢をかなえ続ける進学塾であり続けたいと考えています。
お母さん、誉めてください!【代表北村の教育ちょこっとコラム】
先日、中間テストが終わった頃のお話し。ホールで中3のある生徒に、「すごい!5教科合計で50点以上も上がったやん」と称賛し、その後に、「お母さん、喜んだやろ!」と話しかけたところ、彼女から、「お母さん、『70点以上の教科がないからあかん』って言ってた」という返答が返ってきました。
確かに、彼女は決してお勉強が得意な生徒ではありません。5教科の平均点は50点そこそこ。だから、この春特進館に転塾し、中間テスト前は毎日のように自習室でがんばって、わからない事項は必ず質問に来てくれました。そして、見事に60点以上の平均点を勝ち取ったのです。なのに…。
彼女からの悲しい返答を聞いたとき、私は、「このお母さんって、この子が次の期末で70点平均を取っても、『80点ないからあかん』っていうのだろうなぁ…」という思いが、頭の中をよぎりました。
お母さん、お願いです!子どもたちは誉められて伸びるのです。塾の先生なんかより、子どもたち自身が一番誉めてもらいたい相手は誰なのかを、よく考えていただき、たとえ1点でも上がった教科があれば、悪い教科に目をつぶってでも、とにかくオーバーアクションで、我が子を誉めてあげてください。「すごい」、「やったね」、「うれしい」…。言葉は何でもかまいません。照れくさいなんて言わずに…。
「デジタル教科書」2020年度導入【代表北村の教育ちょこっとコラム】
子どもが学校で使う教科書をタブレット端末などに収めた「デジタル教科書」について、文部科学省の専門家会議は22日、2020年度に導入する案を示した。現在は副教材の扱いだが、文科省は17年度にも法改正して正式な教科書と位置づける方針。導入後しばらくは紙の教科書と併用する。音声や動画を活用することで、学習効果を高めることが期待できるという。紙の教科書のように無償化しない見通しで、家庭や国・自治体の負担が課題になる。教員の指導力向上なども欠かせない。専門家会議は16年末までに最終報告をまとめる。
学校教育法は、小中高校生は国の検定に合格した教科書を使う義務があると規定。デジタル教科書の正式導入には法改正が必要になる。文科省は小学校で英語が正式教科になる20年度に導入することで、発音の学習などでの活用もめざす。将来的に学習効果があると認められれば、デジタル教科書を主な教材として使うことも可能にする。どんな分野で教育効果が大きいかや、視力など健康への影響も検証する。教科書は数年に一度、国の検定を受ける。デジタル教科書については、検定に合格した紙の教科書の内容を、そのまま載せている場合は検定を受ける必要はない。音声や動画も検定の対象外とする。企業による端末や関連教材の開発、教室の無線LAN整備なども加速しそうだ。調査会社のシード・プランニング(東京)は15年度に52億円だった教育用タブレットの市場規模が、20年度には2120億円に拡がると予測している。
「定期テストは大量の提出物」
定期テストが近付くと、塾で学校の教材を使った学習に打ち込む中学生が増える。 ワークやプリント、ノートなどを期限までに提出する必要があるからだ。しかし、 そのボリュームが半端じゃない。国語の試験範囲は、教科書約 30 ページ分でも、 課題は問題集と漢字ドリルあわせて約 50 ページ分に文法プリント3枚、他に授業 の感想なども。英語は、教科書約 40 ページをすべて写し、自習ノートとワークを 約 50 ページ、単語が 10 ページ。さらに数学・理科・社会。期末前は副教科も…。
生徒たちが提出物に真面目に取り組むのは、それが自分の通知表に直結することを 身をもって知っているからだ。これがいわゆる〝内申〟に響いてくる。
塾では、試験範囲や提出物から生徒の学習作業を計画し、テスト準備がはかどるよう配慮しているが、考え方 や覚え方から勉強の仕方まで細かく指示される今どきの学習方法には、ちょっと疑問を感じてしまう。
かつての、難しい仕組みや事項を無理矢理頭にたたき込んで、当日勝負するスリリングな感覚と、的中した時 の達成感を味わえる学習方法は、今や「過去の遺物」となってしまったのだろうか。そんな指示に従いながらも、 一生懸命学習に打ち込む生徒たちが、かわいそうに思えてしまう今日この頃である。
「子どもたちの将来が見える…?」【代表北村の教育ちょこっとコラム】
30 年以上子どもたちの指導にあたっていると、彼らの「将来がちらっと見えてしまう」ことがよくあります。 当学院の年間スケジュールで、『やる気UPセミナー(年 2 回程度実施)』という恒例行事があり、私はその中 でよく生徒たちに、「君たちは、将来どんな職業に就きたい?」という質問をします。 子どもたちの回答は、現実的なものから壮大(?)なものまで多種多様。しかし、 それらは大きく 3 つに分類されることがわかります。
一つ目は、『リーダー職』。総理大臣・社長・監督などの「指導者」になりたい というもの。二つ目は、『クリエーター職』。建築家・科学者・アニメーターなど の「ものを創る仕事」。最後に『オペレーター職』。事務職・整備士・ドライバー など、「指示に従って働く仕事」となります。
どれが良い悪いという区別はないのですが、それぞれの生徒によって、質問の言い方には共通点があります。 リーダー職の生徒は、「○○していいですか?」と決め打ち。クリエーター職の生徒は、「どちらがいいですか?」 と選択を求める型。オペレーター職の生徒は、「どうしたらいいですか?」と、私たちに答えを求める型です。 彼らの言葉で、「将来がちらっと見える」。何だかちょっとおもしろいと思いませんか?
「視力が過去最悪 スマホが原因か?」【代表北村の教育ちょこっとコラム】
子どもたちの視力低下が止まらない。文科省がまとめた2015年度の学校保健統計調査によると、裸眼視力が「1.0未満」の小学生の割合は30.9%と過去最高になった。幼稚園児も増加傾向で、中高生は半数を超えている。専門家はスマホや携帯ゲーム機などの長時間利用が視力の低下の一因とみている。
1.0未満の小学生の割合は、調査を始めた1979年度は17.9%だったがその後は増え続け、12年度からは毎年30%を上回っている。幼稚園児も79年度の16.4%から15年度は26.8%に。ピークの08年度(28.9%)は下回ったが、依然として高水準だ。中学生は54.0%、高校生は63.7%だった。
日本小児眼科学会の前理事長で川崎医療福祉大の田淵昭雄名誉教授は「幼い頃からスマホなどの画面を長時間近くで見ていることが原因。家庭内でのルールを作ったり、なるべく外で遊ばせたりして、目を酷使させないでほしい」と指摘する。
一方、虫歯のある子どもの割合は改善傾向が続く。高校生は52.4%で過去最低を更新。幼稚園児は36.2%、小学生50.7%、中学生40.4%で、いずれも前年度より減少。70年頃は90%以上の子どもに虫歯があったが、学校での歯磨き指導や家庭での習慣づけが効果をあげているという。年齢別で虫歯のある割合が、最も高かったのは、9歳(57.6%)、最も低かったのは5歳(36.2%)だった。
「火事場の馬鹿力」【代表北村の教育ちょこっとコラム】
今からン十年前、中学1年生の夏に家族で香川の金刀比羅宮に旅行に行った時の出来事。夕食まで少し時間があったので、兄弟3人で土産物屋さん街をぶらぶら回っていると、にわかに焦げ臭いにおいが漂ってきました。よくみると、向かいのお店の奥から煙が出ています。「火事だ!」という大きな声。すぐに、まわりから消火器を持った人が数人集まってきたのですが、消火器が使えない。たちまち炎は大きくなり、火の手はお店の2階にまで拡がっていきました。
そして、「2階におばあちゃんが!」という女性の叫び声。でも、まわりは何もできずに狼狽するばかり。…その時です! そのおばあちゃんが一人で階段を降りてきたのです。それも何と大きなタンスを抱えて。結果、この火事でお店は全焼しましたが、幸いケガ人は出ませんでした。
あとで聞いたのですが、そのおばあちゃんは、命より大切な嫁入り道具の着物の入ったタンスを、どうしても見捨てられなくて、ものすごいパワーが出たようです。これぞ「火事場の馬鹿力」。授業などでたくさんの課題を与えると、「もう死んでしまう」とか「頭が爆発する」とか言う生徒がいますが、そんな子たちに私はこのおばあちゃんの話をします。「君たちの力に、限界なんてないんだ!」と。
褒め方で、子どもの脳が活性化する【代表北村の教育ちょこっとコラム】
今までに、お子様への「褒め方」や「叱り方」の重要性については何度もお話しいたしましたが、あらためてみなさんにぜひ知っておいていただきたいこと。それは、「褒め方」にも〝コツ〟があるということです。
かつて、米国スタンフォード大学の実験で、子どもに対する『褒め方の影響』に関して以下の2通りの褒め方をしたときに子どもたちにどんな変化が出たか…という調査の結果には、たいへん興味深いものがあります。
A.「90点。一生懸命がんばったわね!」
B.「90点。すごい。あなたは頭がいいわね!」
Aは努力や行動を褒めており、Bは素質や賢さを褒めています。結果、Aで努力を褒められた子どもは、より難しい問題にチャレンジするようになり、成績が30%伸びました。一方、Bで素質を褒められた子どもは、簡単な問題を好む傾向が表れ、成績は20%低下したそうです。
努力や行動を褒められた子どもは、自分の間違いを積極的に見つけて、自ら学んでいく姿勢を身につけます。一方、賢さを褒められた子どもは、間違いから目を背け、失敗を避けて自尊心を維持しようとしてしまうのです。「褒め方」ひとつで、子どもの脳が活性化する。褒めることにも、どうやら綿密な作戦が必要なようですね。
「かりてきたネコ」の心得【代表北村の教育ちょこっとコラム】
以前も、「なかなか難しい…子どもへの叱り方」というタイトルでお話しをさせていただきましたが、新たな叱り方の原則に、「かりてきたネコ」という心得があるそうです。私自身、この原則にたいへん共感をしましたので、ご紹介させていただきます。
●か…感情的にならない ●り…理由を話す ●て…手短に叱る
●き…キャラクター(性格や人格)に触れない ●た…他人と比較しない
●ネ…根にもたない ●コ…個別に叱る
これはもともとビジネス学で、「部下を叱る際の教え」として考え出されたもののようですが、塾での生徒指導やご家庭での子育てにおいても十分有用な原則であると思います。
その他に、自分自身に対する行動原則として、「あおいくま」という心得もあるそうです。
●あ…あせるな ●お…おこるな ●い…いばるな ●…くさるな ●ま…まけるな
このような素晴らしい教えを知るたびに、「なるほどぉ~。奥が深いなぁ~」としみじみ感じ、それと同時に己の勉強不足に、ほとほと気付かされてしまう今日この頃です…。
『親を尊敬』。日本は最低の37%…【代表北村の教育ちょこっとコラム】
国立青少年教育振興機構(東京)が実施した調査で、日・米・中・韓各国の高校生の親子関係に関する意識の差が浮き彫りになる結果となりました。
昨年9~11月、4か国の生徒計7761人に調査。「親を尊敬しているか?」との質問に、「とてもそう思う」と回答した日本人生徒の割合は37.1%で4か国の中で最低だったそうです。最も尊敬度が高かったのはアメリカで70.9%。中国は59.7%、韓国は44.6%という結果で、米中の高校生の親に対する尊敬度と比較しても日韓、特に日本の子どもたちの意識が非常に低いという残念な結果があらためて顕著となりました。
「親が高齢となり、世話をすることになった場合どうするか?」の質問にも、「自分でしたい」と答えたのは日本人生徒が37.9%。こちらも中国の87.7%や韓国の57.2%を大きく下回る結果となったようです。
同機構の分析では、「明確な縦の親子関係が薄れ、友だちのような横の関係に変わりつつあるのでは?」とのことですが、日本の将来を占う上においても看過できない大きな問題ではないでしょうか?
「日本は世界で一番の国」であると信じ続けていた自分にとって、この結果はたいへんショックなものでした。私も2人の娘を持つ親。この機会に、親子のあり方について今一度考えてみようと思います。