今までに、お子様への「褒め方」や「叱り方」の重要性については何度もお話しいたしましたが、あらためてみなさんにぜひ知っておいていただきたいこと。それは、「褒め方」にも〝コツ〟があるということです。
かつて、米国スタンフォード大学の実験で、子どもに対する『褒め方の影響』に関して以下の2通りの褒め方をしたときに子どもたちにどんな変化が出たか…という調査の結果には、たいへん興味深いものがあります。
A.「90点。一生懸命がんばったわね!」
B.「90点。すごい。あなたは頭がいいわね!」
Aは努力や行動を褒めており、Bは素質や賢さを褒めています。結果、Aで努力を褒められた子どもは、より難しい問題にチャレンジするようになり、成績が30%伸びました。一方、Bで素質を褒められた子どもは、簡単な問題を好む傾向が表れ、成績は20%低下したそうです。
努力や行動を褒められた子どもは、自分の間違いを積極的に見つけて、自ら学んでいく姿勢を身につけます。一方、賢さを褒められた子どもは、間違いから目を背け、失敗を避けて自尊心を維持しようとしてしまうのです。「褒め方」ひとつで、子どもの脳が活性化する。褒めることにも、どうやら綿密な作戦が必要なようですね。
「かりてきたネコ」の心得【代表北村の教育ちょこっとコラム】
以前も、「なかなか難しい…子どもへの叱り方」というタイトルでお話しをさせていただきましたが、新たな叱り方の原則に、「かりてきたネコ」という心得があるそうです。私自身、この原則にたいへん共感をしましたので、ご紹介させていただきます。
●か…感情的にならない ●り…理由を話す ●て…手短に叱る
●き…キャラクター(性格や人格)に触れない ●た…他人と比較しない
●ネ…根にもたない ●コ…個別に叱る
これはもともとビジネス学で、「部下を叱る際の教え」として考え出されたもののようですが、塾での生徒指導やご家庭での子育てにおいても十分有用な原則であると思います。
その他に、自分自身に対する行動原則として、「あおいくま」という心得もあるそうです。
●あ…あせるな ●お…おこるな ●い…いばるな ●…くさるな ●ま…まけるな
このような素晴らしい教えを知るたびに、「なるほどぉ~。奥が深いなぁ~」としみじみ感じ、それと同時に己の勉強不足に、ほとほと気付かされてしまう今日この頃です…。
『親を尊敬』。日本は最低の37%…【代表北村の教育ちょこっとコラム】
国立青少年教育振興機構(東京)が実施した調査で、日・米・中・韓各国の高校生の親子関係に関する意識の差が浮き彫りになる結果となりました。
昨年9~11月、4か国の生徒計7761人に調査。「親を尊敬しているか?」との質問に、「とてもそう思う」と回答した日本人生徒の割合は37.1%で4か国の中で最低だったそうです。最も尊敬度が高かったのはアメリカで70.9%。中国は59.7%、韓国は44.6%という結果で、米中の高校生の親に対する尊敬度と比較しても日韓、特に日本の子どもたちの意識が非常に低いという残念な結果があらためて顕著となりました。
「親が高齢となり、世話をすることになった場合どうするか?」の質問にも、「自分でしたい」と答えたのは日本人生徒が37.9%。こちらも中国の87.7%や韓国の57.2%を大きく下回る結果となったようです。
同機構の分析では、「明確な縦の親子関係が薄れ、友だちのような横の関係に変わりつつあるのでは?」とのことですが、日本の将来を占う上においても看過できない大きな問題ではないでしょうか?
「日本は世界で一番の国」であると信じ続けていた自分にとって、この結果はたいへんショックなものでした。私も2人の娘を持つ親。この機会に、親子のあり方について今一度考えてみようと思います。
『美談』になりきれなかったお話【代表北村の教育ちょこっとコラム】
かつて、私がこの教室の近くに初めて塾を開いて間もない頃のお話です。当時、教室の斜め向かいにあった「ザ・シューズ」という靴店で教室履きのスリッパを探していた時、にわかに大きな声が店内に響き渡りました。
様子を伺ってみると、どうやら近くの高校生がスニーカーを万引きしたのを見つかったようで、店長らしき人がその高校生を厳しく叱っています。「今すぐ警察に来てもらう!」。店長はかなり興奮した様子でした。
その時私は仕事柄…というか、その現場に駆けつけて、「その靴はおいくらですか?」と一言。そして、財布から代金の2千円を店長に渡して、その高校生を放免してもらいました。「もうこんなことをするなよ」。彼は、複雑な顔で軽く会釈をして店を走って出て行ったのを覚えています。
それから約1週間後、塾の教室に彼が母親と一緒に来訪し、何度も謝られた後に、「お返しします」と言って2千円を差し出されました。しかし私は、「そのお金はお母さんのお金ですよね。私は、彼が将来社会人になり、自分で稼いだお金で返してほしいと考えています。何年、何十年かかってもかまいません」と言って受け取らず、そのままお帰りいただきました。この二人は、親一人子一人の母子家庭だったようです。
…ここまでの話を聞くと、「美談だなぁ~」って思われますよね。もちろん、すべて事実です。
ところがそれから25年。その彼は未だに私の前に登場してくれません。もう40歳は超えているはずですが。
悲しいかな、「美談」になり得るって、なかなか難しいものです…。
『塾対策』って何?【代表北村の教育ちょこっとコラム】
私たち特進館学院には、「学校や他塾の批判は絶対にしない」という〝鉄板ルール〟があるのですが、今回は、自分のプライドのために子どもたちを犠牲にする、ちょっと許せない先生のお話しを、批判ではなく、「客観的な事実」としてお話しさせていただきたいと思います。
毎年私は、おもに中学理科の授業を担当していますが、クラスの中で特定の中学校の生徒のみ極端に理科の成績が悪い時期がありました。不思議に思って生徒に話を聞いてみると、その学校の一部の先生が教科書の学習指導単元順を無視して、ランダムに授業を行っている事実が判明。理由は、『塾対策』のためだそうです。
「塾に通っている生徒だけに良い点数を取らせたくない」という気持ちは立場的にはわかりますが、このおかげで生徒は塾で学習する単元と学校で習う単元とがまったく違う状況に追い込まれ、どの単元も理解度はグダグダ状態。オマケに、定期テストでは私たちも悩むような難問のオンパレードで平均点は30点そこそこ。生徒の理解度も把握できていなくて、あえて理科嫌いをあおっているようなものです。
『塾対策』って、いったい何なのでしょう? 無意味な施策で、子どもたちが苦しむ姿を見て、とても悲しい気持ちになったことを、今でもはっきりと覚えています。ちなみに、私たち塾関係者やテスト作成業者などが、こんな低い平均点のテストを作ったら、間違いなく〝クビ〟になります…。
短時間睡眠法【代表北村の教育ちょこっとコラム】
頭が痛い、お腹が痛い、吐き気が…。人間には様々な苦痛があります。いずれも辛いものですが、「眠いのに眠れない」という苦痛は、そのどれよりも苦しいのではないでしょうか? 私は、中3受験生の時に書店で『短時間睡眠法』という本を読んだことがあります。いかにも受験生受けしそうなタイトルにひかれての衝動買いでしたが、これが意外と受験勉強に役立ったことを記憶しています。
本の内容を要約すれば、「人間の睡眠は約1.5時間のサイクルでできているので、その倍数分の睡眠を取ればスッキリ目覚められる」というもの。グラフをご覧ください。睡眠には「レム睡眠(浅い眠り/夢を見る状態)と「ノンレム睡眠(深い眠り)」があり、それらの睡眠が同じ周期で繰り返されます。だから、1.5時間の倍数を外れて深い眠りのタイミングで目覚まし時計を合わせてしまうと目覚めが悪くなるというわけです。
たとえば、4時間しか眠れないとわかっている時には、あと1時間だけがんばって、3時間(1.5時間×2)休んだ方が、結果的に体は楽になるという要領です。当時の私は、この理論にとても助けられました。『短時間睡眠法』。みなさんも一度お試しになってみてはいかがでしょうか?
なかなか難しい…子どもへの叱り方【代表北村の教育ちょこっとコラム】
教育に携わる人間として、『叱る』という行為は私たちの大事な仕事の一つです。でも、これがなかなか難しい。ご家庭でも同様ではないでしょうか?
うまく叱れば子どもたちはそれを機にイキイキと成長する。しかし、ひとつ間違うと取り返しのつかないことに…。そこで、叱り方の注意点『十箇条』なるものを見つけましたので少しご紹介いたします。
●子供にやってはいけない叱り方、十箇条
1. 感情的に叱る
2. 子供の言い分を聞かずに叱る
3. くどくどといつまでも叱る
4. 自分の都合で叱る
5. 両親が一緒になって叱る
6. 誰かと比べて叱る
7. 昨日と今日で言うことを変えて叱る
8. 全人格を否定する言葉や子どもを突き放す言葉を使って叱る
9. 昔のことまで引っ張り出して叱る
10. 愛情のない体罰で叱る
《映画『うまれる』シリーズ Facebookより抜粋》
いかがでしょうか? 多少耳に痛い部分もあるかもしれませんが、私たち大人がその一つひとつに気をつけて、〝正しく叱る〟ことで、子どもたちは「気づき」を得て、新たな階段を昇ることができるのだと思います。
「大人も子どもと一緒に成長していく」という謙虚な気持ちで、できる限り、実行していきたいものです。最後になりましたが、叱ったあとの『フォロー』は絶対必須アイテム。そして、『ほめる』こともお忘れなく!
「客層」の悪い日帰り温泉
仕事柄、なかなか泊まりでゆっくりと旅に出ることができないので、たまの休みに旅行気分で近場の日帰り温泉に出かけることが私のささやかな楽しみです。ここから車で1時間圏内だけでも、ステキな温浴施設がたくさんあって、わずか700円~800円で身も心もリフレッシュ。風呂上がりのかき氷は最高!
ただ、近くの温浴施設の中で「二度と行かない」と決めたところが1軒だけあります。名前は言いませんが、そこのお客はとにかくマナーが悪い。浴槽でも洗い場でも。親も子も。湯上り休憩コーナーでもそんなお客がスペースを占領し、店員も知らんふり。温浴施設なのに、癒されるどころか疲れて帰ったという最悪の経験でした…。
私は、サービス業は「客層が命」だと考えています。仮に店員がよくても利用者の質が低いと、その不快感がすべてのサービスを打ち消してしまうという恐ろしいことに…。
塾でも同じようなことが言えると思います。「割引」や「無料」などを常時売りにしている塾、「近いから」だけの塾などの「客層の低い塾」では、万一先生がよくても、成績を上げることなど不可能です。当然ながら学力レベルも低くなる。
生徒を志望校に導くためには、先生だけでなく一緒に学ぶ他の生徒との連携がとても重要。これが、特進館学院が大切にしている「塾の空気」です。私たちは、これからも「客層でも地域No.1進学塾」であり続けたいと考えています。
特進館学院の〝あいさつ〟ルール【代表北村の教育ちょこっとコラム】
特進館学院は、ただ学習指導を行うだけの塾ではなく、子どもたちへの『人間教育』もできる塾でありたいと日頃から考えています。
その中で、最も大切にしているのが「あいさつ」。あいさつで始まり、あいさつで終わる。
ですから、あいさつが素晴らしい生徒へのMVP表彰も毎月行っています。「いつも明るく元気でテキパキと行動」。あいさつはすべての行動に繋がる『要』となります。
生徒が塾に入室する時は、「こんにちは」。これは、昼夜を問わずに「こんにちは」で統一しています。帰る時には、「さようなら」。授業の開始時・終了時には、起立して「お願いします」と「ありがとうございました」。これは、スクールバスの乗降時も同様となります。保護者の方が来られた時は、「こんにちは」。お帰りの時には、「ありがとうございました」。 人間は、気分次第で良くも悪くも変化する生き物。元気で気持ち良いあいさつをお互い交せれば、その日一日を清々しく爽やかに過ごすことができ、学習に打ち込む力もパワーアップするはずです。
「あいさつは心のオアシス」。「あいさつは魔法の力(作詞:多湖輝先生)」という歌もあります。あいさつができない人は、仮に良い学校に入学しても、社会人としては務まらないと思います。だから私たち特進館学院は、これからも〝あいさつの輪〟をしっかりと拡げていこうと考えています。
『こまぎれ時間』を活用する
「時間を有効に活用する」。今さらここに標記するのも恥ずかしいくらい、すでに使い古された言葉ですが、私はこの「時間」という生き物に、けっこうこだわりながら日々を過ごしています。
大人と子ども、エライ人と平凡人、セレブと一般庶民。万人に平等に分け与えられているものが時間。誰しも一日の持ち時間は24時間のみ。だからこそ、時間は工夫しないと人生の一部を無駄にしてしまいます。
そこで、注目したいのが「3つの無駄な時間」。「待つ時間」、「探す時間」、「移動する時間」という『こまぎれ時間』です。一日の中に、数秒~数分のそんな時間が点在し、合算すると何時間にもなってしまうことが…。
そのような時間を一度見つめ直してみてはいかがでしょうか?「待つ時間を減らす」、「整理整頓を心掛ける」、「移動手段を工夫する」など…。もしくは、そのような時間を利用して他の仕事や用事を片付けてしまうという手もあります。最近は、携帯やスマホなども普及していますので可能ではないでしょうか?
最後に、私は日ごろ次のようなネガティブな言葉を人には言わないように心掛けています。「忙しい…本当に忙しい場合はその言葉すら出ません」、「疲れた(しんどい)…自分だけが苦しんでいるみたいな、独りよがりな言葉だと思います)」、「苦労した…自分で言うのではなく、他人から言われるべき言葉です」の3つ。
受験でも、仕事でも、『こまぎれ時間』を活用して、時間とうまくつき合うことが、成功に結びつく「カギ」ではないかと考えています。みなさんはどのようにお考えでしょうか?