以前にお話しした内容ですが、あえてもう一度。いよいよ志望校選定の時期。この間面談で、「うちの子はプレッシャーに弱いから、無理して上の学校へ入ってギリギリでいるより、ランクを下げて上位の成績で行かせた方がよい」というお声をよく耳にします。実はこれがとんでもなく大きな〝過ち〟。仮に受験時の偏差値が変わらない2校でも、卒業時の進学先で大きな「違い」が生まれるケースがたいへん多いのが事実です。
中学と高校の学習は異なりますので、入試でギリギリの成績で入った生徒が、ずっと下位の成績という例はあまりありません。よほどでない限り、入学時には多くの生徒のレベルが一旦スタートラインに並びます。ボーダーの成績で入った生徒が、高3時にトップレベルになっていることも、珍しくありません。逆に、ランクを下げて余裕で入っても、気がつけば中以下というケースも多々あります。トップの高校と2番手校の主要大学合格者数には大きな隔たりがあります。少し努力すれば合格できる高校を避けて安全圏を選ぶことは、大きな「ボタンの掛け違い」だと思います。
決して現実的にはならず、高い目標に向けて努力する姿勢こそが、受験のみならず、将来社会人としても必ず成功に直結します。「目標は少しでも高く!」。みなさんの成功を祈っています!
突然ですが、問題です! 「学習塾」・「病院」・「ビジネスホテル」の共通点って何かわかりますか? …難しいですよね。答えは、いずれも『弱者ビジネス』という点です。
弱者ビジネスというのは、「できれば利用したくないけれど、仕方なしに利用する」という類のお仕事。たとえば、「行きたくないけれど、歯が痛いので仕方なしに行く歯医者」や「出張の仕事が終わって家に帰りたいけど、最終に間に合わないので仕方なく泊まるビジネスホテル」などが挙げられます。
学習塾も同様に弱者ビジネスです。「自力で学習して志望校に合格したいけれど、それができないので、高い学費を払って仕方なしに塾に通う」。これらを、『必要悪』などと罵る人もいますが、ここ数十年の努力によって、塾も病院もビジネスホテルも、殺風景な施設から、心安らぐ温かい空間へと、大きく変貌しました。
塾を頼りにして、通っていただける方々の多くは、「何としても合格させたい」、「成績を上げたい」といった、みなさん切実な思いをもっています。ですから私たちは、そんなみなさんの思いを真摯に受けとめ、添い遂げることのできる、『優しさを大切にする教育サービス』をしっかりと実践していきたいと考えています。
ご家庭でぜひお子様にしてあげてほしいこと。それは『がくりょく』をつける、ということです。「塾が何を今さら」と思われるかも? 私が申し上げたいのは『学力』ではなく『顎力』、つまり「アゴの力」なのです。「最近の子どもは頑張りがきかない」とよく言われますが、「頑張れない」、つまり歯を食いしばって我慢することができずすぐに諦めてしまう。この原因に、ピザやハンバーグ・スパゲティなどの柔らかい食べ物ばかりを口にして育つために、アゴの力が発達しない。だから、学習も粘り強く頑張ることができない…というのがあるようです。
たとえば、公教育などでマスコミを騒がせたワードを時代別に並べてみると、『不登校』、『いじめ』、『キレる』、『恐喝』、そしてたまに『殺傷事件』など、どんどんエスカレートしていくのが懸念されますが、これらの社会問題はすべて子どもたちの『顎力』つまり『我慢する力』の欠乏に負うものではないでしょうか? 昔の子どもは平気で1分間以上は息を止めることができたのに、今では30~40秒続く子どもすらあまりいない、というのが実状です。体格は明らかに良くなっているのに、まさに『顎力』が低下している証拠だと考えられます。たまには、フランスパンや、堅焼煎餅・チャイナマーブルなどをかじってみるのもいいのではないでしょうか?