コロナが残した教育の明暗

新型コロナの影響で、子どもたちの学習環境が激変しました。休校中に何もしなかった生徒と、自らしっかり計画を立てて、毎日コツコツと学習に取り組んだ生徒。先日、高1の塾生との会話で、「先生、この3か月で1年間の学校内容が全部終わりました。」みたいなやり取りがあり、映像授業のメリットを感じたのですが、塾に来ていない生徒の休校中の学習は、「永遠のゼロ」。毎日が「スマホに明け暮れる」のご様子だそうです。

感染の危機が終息を迎えた後に訪れるもの。それは教育のアンバランス化から生まれる極端な〝学力の二極化〟で、「新しい生活様式」の中で、このような学力格差は、確実に拡がっていくと、私たちは考えています。高校生が、近々迎える大学受験は大きく荒れて、現役合格できない生徒が大幅に増加。小・中学生も数年後に同様の事態を迎えます。さらに、20年~30年後。社会人になってからも、その後遺症で社会的ステータスの格差も大きく拡がってしまいます。

「いま、何をすべきか。どうあるべきか?」。その道を見誤ると、一生取り返しのつかない、最低最悪の事態を招きかねません。だから私たちは、そんな子どもたちのために立ち上がります。彼らの「夢と希望」を、絶対に失わせたくないから…。

クレームは、貴重な宝物

「モンスターペアレント」という言葉が世の中に出て久しいが、恥ずかしながら私たちも、保護者の方からお叱りの言葉を頂戴することが年に数件。もちろん、モンスターではなく、冷静かつ丁重に、こちら側の言い分も聞いていただける姿勢で話されるのだが、正直そのご指摘内容には、かなり手厳しいケースもある。

誰しもクレームを受けるのは辛いもの。しかし、そのクレームには私たちの気付かない貴重なアドバイスが含まれていることが多い。クレームが、受ける側より出す側に大きなエネルギーが必要であることも事実である。たとえばレストランに行って、料理がまずい・店員が態度横柄・異物混入…などで嫌な思いをした時、その場でクレームを言う人間は日本ではわずか2割程度だという。つまり、8割の人は何も言わずに「もう二度とその店に行かない」という行動に出る。でもこれでは、その店のサービスは永久に改善されない。

保護者の方からお叱りの言葉を頂戴した時に、私たちは最後に必ず「ありがとうございました」をお返しすることにしている。「勇気を出して叱って頂いたおかげで、私たちはさらに成長できる」ことへの感謝の証として。そして、その人たちとの絆はさらに深まる。だからこそ、『クレームは貴重な宝物』なのである。