シロクロつける?

漫画家の鳥山明さんが先日亡くなられました。個人的にはアラレちゃん世代ですが、代表作は何といってもマンガ『ドラゴンボール』ですよね? 一般的には、ドラマや映画のヒーローは「最後に必ず勝つ」というのが定番ですが、ドラゴンボール主人公の孫悟空は、「負けることもある」。でも、「絶対あきらめない」という展開が他の作品のストーリーと大きく違う点で、これが世界中のファンの心を魅了し、長きに渡ってヒットし続けてきた理由なのではないでしょうか?

ところでドラマやマンガにかかわらず、私たちは常日頃から勝ち負け、正解不正解、好き嫌い…など、物事や行いに何かと「白黒をつける」という行動に支配され過ぎているのではないかと思います。テストでも「○」か「✕」か、どちらかを決めたがり、昔よくあった「△」的な判定はどんどん排除されていくようで、古い人間としては少し寂しく感じています。

90年頃の流行語の一つに「ファジー(あいまい)」というのがありました。お風呂のお湯の「熱い」と「ぬるい」の間に、絶妙な「いい湯加減」の温度があるように、白と黒の間にあるビミョーな感覚を大切にしながら、毎日を楽しめたらいいなぁ~と考えています。だって、私たち人間はマシンではないのですから…。

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「偶然」と「必然」

ずっと前に、「セレンディピティ」というお話をさせていただいたことがあります。幸運にめぐり合うのは単なる偶然でなく、「その人の能力」という考え方のことです。目先の失敗で凹まずに、常にプラス志向で考えることで幸運や成功が訪れる。今回は、「偶然」と「必然」についてのお話しです。身の周りで起きるさまざまな出来事で、「たまたま偶然」と思えることが多々ありますが、それって本当に偶然でしょうか?

関門海峡に生息する「平家ガニ」。その甲らは、まるで人が嘆き怨むような模様で、壇ノ浦の合戦で滅亡した平家の亡霊が乗り移ったという言い伝えから、地元の人々に恐れられていました。ところが、1952年にアメリカの科学者が、怨霊を信じる地元の人々が、「顔に似た模様のカニが網にかかると、恐がって海に放つ」という行為が長年繰り返されたために生き残るチャンスが増えて、人の顔に似て来たのだという説で大きな話題となりました。これを「人為選択的進化論」と言い、平家ガニの甲らの恐い顔の模様は、「偶然ではなく必然できた」という学説です。良いことも悪いことも、「たまたま偶然ではなく、私たちの日々の行動の結果で起こる必然の現象なんだ」と、あらためて考える今日この頃です。