『専門化』の長所と弊害

特進館学院の先生の特徴に、「一人が複数教科を担当できる」という点があります。私が以前経営していた塾では、「一人1教科担当」で専門性の高さを売りにしていました。しかし、近年の入試問題は多様化が進んで、教科の枠組みがどんどんなくなり、数学とか社会という縦割りの指導スタイルだけでは対応できなくなった。これが、複数教科担当制の大きな理由です。教科の仕切りが「壁」から「ついたて」に変わり、「理系」・「文系」の区別がなくなり、高い所から全体を眺めないと良い指導はできない。教育は今、そんな時代となりました。

コロナ禍において、例の専門家会議が評価されないのは、メンバーが「感染症科の専門医のみで他の病気が見えない」ことにあると言われています。医師会の影響で、近年の病院が〇〇科・△△科など、次々と専門化・分業化されていくのは良し悪し。昔のように、「内科」みたいな総合的な枠組みの病院や医師が、こんな時こそ必要なのでは…と考えます。

医師の仕事はわかりませんが、私たち教師が指導教科を細かく分けて専門化するとすれば、その理由は、「担当を狭めて楽をしたい」以外の何ものでもありません。多少、問題発言かもしれませんが…。スペシャリストからゼネラリストへ。教育のあり方について、今一度、考え直してみたいと思う今日この頃です。

第1回「三田祥雲館模試」のご案内

実施日:6月28日(日)

集 合:13:45

試験時間:14:00~16:10 検査Ⅰ・Ⅱ

16:20~17:00 社会解説(希望者のみ)

16:10または17:00 生徒解散

受験料:無料

受験対象:中学3年生(塾生および一般外部生)

持ち物:筆記用具・コンパス・定規

特 典:一般外部受験生は、模試帳票による進路相談と体験授業を受けていただけます。

申込方法:ページ右下「入塾面談・教室見学・24時間WEB予約」から上記日時を入れてお申込みいただくか、教室受付に置いております申込書に必要事項をご記入の上ご提出ください。

『附属池田高校 進学説明会』

緊急事態宣言の影響で延期になっておりましたが、6月5日㈯に開催決定!

予約制となっておりますので、参加ご希望の場合はお電話にてお申込みください。

その他、ご質問等でもお気軽にお問い合わせください。

「多店舗展開塾」の落とし穴

特進館学院が、意味なく校舎数を増やさない理由の一つに、「教務サービス低下の懸念」があります。『働き方改革』が叫ばれる昨今ですが、この引き金となったのが「膨大な残業の強制」による不幸な出来事の頻発にあったのではないかと思います。

多店舗展開塾の教師の仕事には、少なからず校舎間や本部などとの「移動」があります。加えて、拠点が多くなれば社内のコミュニケーションの希薄さを克服するための「会議」を頻繁に開催することになります。移動も会議も、それぞれ長い時間を要します。

塾の教師は、それらに加えて「授業」という最も重要なミッションがあります。つまり、「移動と会議と授業」で1日8時間をほぼ消化。休憩時間も取れずにパンを片手に大急ぎで車で校舎へ疾走…なんて始末に。以前の私がそうでした。(汗) その結果、授業の準備や教室運営・研修などの全体業務は当然長時間残業で…ということになります。塾業界には残業月100時間超のブラック塾が数多。そんな状況で、教師は心も体も疲弊し、生徒によい授業を行うことなど不可能です。特進館学院は、ご承知のように1校舎。意味のない会議や移動はなく、残業もほとんどありません。だから、私たちは健全な心身で『教務に打ち込む』ことができる。たったそれだけのことです。

まるでメディアは「ダメな親」

ちょっと前の話ですが、私と中3塾生との立ち話で、こんなやり取りがありました。

「Sさん。今回の期末、めちゃがんばったやん!」、(S:泣き崩れる)、「どうしたん?」、S「がんばったのに、ママが全然ほめてくれへん…」。どうやらお母さんは、彼女が5科で100点以上伸びたことをスルー、一番低い点の教科を指摘して娘を叱ったようでした。これは、はっきり言ってお母さんが悪い! 自暴自棄に陥りそうな彼女を必死でフォロー。何とか収まりましたが、こういうところから勉強嫌いや反抗期が始まる…と感じました。

そう言えば最近、テレビなどメディアの報道があまりに酷い。コロナ報道では、国民ががんばって感染対策をして陽性者数が減少しても、「先週より増加」、「重症者数は○○名」、「(一番少なかった)昨年の○月○日と比べて●●倍」、「でも変異ウイルスガー」とかで、たまに良い数字が出ても、すぐにゴールポストを動かして、絶対に「がんばりましたね!」と、ほめる言葉などまったくなく、常に視聴者をあおる報道ばかりでもうウンザリ…。

まるでメディアは「ダメな親」。そんなテレビ番組のキャスターやコメンテーターのネガティブワードの影響を受けて、「ほめずに叱るだけの親」なんかにはならないように…と心から祈っています。