『いつかは…』の言霊(ことだま)

私が生まれた昭和の時代。当時の日本は、現代とは比較にならないほど貧しく、生活必需品などの物資も行き渡らず、公共インフラなども乏しい。少し上の世代なら、ご近所とテレビや電話を共用するような家も少なくありませんでした。かといって、いつも人々は明るく元気で希望に満ちていて、どの家にもたくさんの子どもたちの笑い声が響き渡っていました。だから、決して「不幸」などではなかったと記憶しています。今と比べ、はるかに不便で不自由な時代。当時の一般の人々は、大なり小なりの「我慢」を強いられながら生きていました。もとより、それが当たり前の生活でしたから、特に我慢だとは感じていなかったのかもしれません。

そんな暮らしを、明るく元気に過ごすことができた理由。それは、あの頃の人たちが「常に未来を見つめていた」からであると、私は考えます。「今は苦しくても、この先に必ずステキな未来が待っている」と、みんなが確信して生きていました。その原動力となった言霊。それが、『いつかは…』です。今は貧しくても、「いつかは豊かになって、今よりももっともっと大きな幸せを家族全員で必ずつかむ」ことを信じて…。

特進館学院の生徒たちには、一人ひとりが夢と目標をしっかり持って、『いつかは…』の言霊の力で、志望校の夢をきっとかなえてくれるものと、私は強く心に刻んでいます。

人生何とかなる!

「お天気おじさん」で検索すると、最初に出てくる福井敏雄さん。徳島弁の生真面目キャラが大人気で天気予報や数々のバラエティ番組等で活躍…。初めて出会ったのは1989年の春。当時、私は大阪の塾で週6日の授業と開発・企画の仕事を担当。ある日、「塾の講演会をして、お天気おじさんに講演してもらおう!」という提案が挙がりました。その当時の福井さんは、テレビだけでも『探偵!ナイト…』、『おれたちひょうきん…』、『笑っていい…』など、超人気番組の多数のレギュラーで、塾の講演会などを受けてもらえる見込みは皆無でしたが、若気の至りで、無謀にもアポなしでテレビ局に突撃。しかも本番中に…まるでテロリストです。(笑)ところが奇跡的に会ってくださって、なんと教育講演会の依頼も快諾いただけました。

その頃、私は自らの結婚式の1か月前に媒酌人の恩師が急逝。それを聞かれた福井さんから職場に電話が…「よければ私が代理で仲人をしましょうか?」。そんな訳で平成元年6月25日、私たち夫婦は関西で最も多忙な有名人ご夫妻の媒酌で、温かく和やかな結婚式を挙行。その後、2005年の春に84歳で天国に旅立たれるまで、親子のようにお付き合いいただきました。「あの時、ダメ元で挑戦してよかった」。生涯でいちばんの素敵な思い出です。そう、私の座右の銘は、「人生何とかなる!」

『捨て色』のヒミツ

ユニクロなどの売り場で、「こんなド派手なシャツを誰が買うんだ」みたいな商品を見たことがありますよね? 私はそんなシーンで、「世の中には、こんな奇抜な服を着る変人もいるんやなぁ~」などと勝手に思い込んでいましたが、先日アパレル業界の人の話を伺って、実はそうではなく、『ある戦略』に基づいて行われているということに気付かされました。

店側は、派手な色は売れないことを知っていながら、「わざと売れにくい色を売れ筋の定番色の中に混ぜる」ことで、「より一層定番商品が売れる」ことが、大きな理由なのだそうです。

売れない色や形の商品をわざと店頭に並べるのはアパレル業界では常識で、このような色を『捨て色』と呼んでいます。服に限らず、人はモノを購入するシーンにおいて、必ず別の商品と比較をして、意思決定を行う心理的習性を持っている…とのこと。

物事が思うようにいかなかったり、テストで点数が取れなかったりしたときに、自暴自棄になって、「自分なんかどうせ、いてもいなくてもよい存在だ」なんて投げやりになってしまった経験はないですか? そんな時は、「今回は捨て色になって、奴らに花を持たせてやったぜ!」なんてつぶやいて、心を落ち着かせることもアリなのかもしれませんね。(^o^;)

「一流人」の条件とは?

今はなき野村克也元監督の座右の銘に、「金を残すは三流、名(業)を残すは二流、人を残すは一流」という有名な言葉があります。長い人生の終わりにその人が何を残すか…ということで、真の人格がわかる。なかなか含蓄のある言葉だと思います。

お世話になっている教材会社社長のコラムに以下のようなフレーズがありました。「私は時々教材の展示会でビジネスホテルに泊まることがあります。以前はホテルを出るときには使った寝間着やスリッパ・タオルなどは無造作に至る所に放置していました。ところがある時、何かの本で『一流の人か否かは,ホテルに泊まった後の部屋の様子を見ればわかる』という文章に出会いました。言われてみれば確かにその通りで,もし私がホテルの清掃スタッフだったら、部屋に入った瞬間、『その人の魂のグレード』のようなものを感じ取ることでしょう。(中略)むしろこのようなところにこそ,その人の人格のレベルが表れるような気がします。」

子どもの頃に祖母によく、「お行儀が悪い!」と言って叱られました。「お行儀」を、英語に訳すと「マナー」とかになるのでしょうが、日本語はそんな浅薄なものではなく、「誰もいないところでの人の立ち振舞」なども含めた、奥深い意味を秘めている…と考えます。