本番の入試で自分の実力通りの得点を挙げるのは容易ではありません。試験の点数は実力通りに出るものではないのです。緊張して固まってしまう人。時間に追われると、あわてて問題に手がつかなくなる人。不注意なミスで点数をぽろぽろと失う人。時間配分が下手で、ほんとうは解ける問題に手をつけずに終わってしまう人……。みなさんも、一つぐらいは心当たりがあるのではないでしょうか。こうしたいろいろなことは、実際に試験を受けてみないとなかなかわかりません。やってみると思ったほどうまくいかないものなのです。実力通りの点数を取るにも、それなりの準備は必要だということですね。
そういう練習ができるのは、模試だけです。だから、なるべく積極的に受けることを心がけて、経験値を高めておくようにしてください。ときどき偏差値や順位で評価されることを嫌がって、模試を受けたがらない人を見かけますが、そういう態度は間違っています。模試はいい成績を取って安心するためよりも、むしろ自分に何ができないか、自分はどんな失敗をするのかを知るための〝チャンス〟だと考えてください。
失敗から学んで、それを次の機会に活かしていくことによって、「本番の入試で自分の実力通りの得点を挙げる力」がついてくるのです。
〔「すべての人に最適な学びを」より抜粋〕