若いお父様・お母様方はご存じないかもしれませんが、1970~80年代のテレビ・ラジオには、「プロポーズ大作戦」・「ラブ・アタック」・「素人名人会」など、お笑い系視聴者参加番組の華々しき時代がありました。当時中学生の私も、このブームに乗って、関西テレビや朝日・毎日放送などによく足を運びました。番組出演経験は、数十回。共演者は、キダ・タロー先生やさんまさんなど…。落語では、関西大会で優勝したこともあります。
これらの番組には「予選」があって、出演するには必ずその難関を通過しなくてはなりません。そんな中に、私が何度も予選会場で競い合った「H君」という学生がいました。彼は私より5歳年上で芸達者、オーラもあるなかなかの強者。彼との対戦成績は、3勝10敗くらいだったでしょうか、まさに強敵でした。
彼は大学卒業後、そのままお笑い系放送作家となって、その後数々の人気お笑い番組を世に送り出し、さらに50歳を過ぎてからノンフィクション作家への道を志すことになります。売れない数年間を乗り越えて、ついにその小説の数々は大ブレイク。作品名は、『永遠の0』・『海賊とよばれた男』・『殉愛』など…。
そうです、彼こそが、今を時めくベストセラー作家の百田尚樹さん。いくつになっても人間の可能性というのはほんとうに限りないもの。彼から自分も、大きな勇気をもらうことができた今日この頃です。