国や企業のトップが教訓としている格言に、『大計得と小計得』というものがあります。
沖縄琉球の礎を創った蔡温(さいおん)は、次のような言葉を残しています。「目先の課題に対処する小計得ではこの国を安定させることはできない。琉球の長久を目指すためには、大計得を堅持することが必須条件である」と。目の前の損失を見るだけの短慮=「小計得」に陥るのではなく、将来を冷徹に見通す遠慮=「大計得」を持つことが、最も重要な課題であるという意味なのです。つまり、「目先の損得に惑わされるのではなく、将来を泰然と大きく見通す力を持つ人材を備えることこそが、国の将来を決する」とも読み取れます。これは沖縄だけに限らず、新潟長岡を救った小林虎三郎の「米百俵の精神」も有名であり、今の我が国全体にもふさわしい教訓だと思います。
小さい頃に学んだことは、必ず記憶の底に残ります。「将来を見通す力」を身に付けさせる人材育成、すなわち『教育』に力を注ぐことこそが、私たちに明るい未来をもたらす「大計得」なのではないでしょうか?
この「教育」という崇高なミッションを背負いながらも、ついつい目先の物事「小計得」にばかり気を取られ、「大計得」のできない自分を反省している、今日この頃です。
特進館通信vol.85 11月号
もう、「頂上のない山」には登らない【代表北村の教育ちょこっとコラム】
ご存知の方も多くいらっしゃると思いますが、私は以前、この地域でナンバー1と言われる大手進学塾を経営していました。しかし、9年前に某企業と提携し、3年後にその企業との経営方針の不一致で会社を追われ、一時は破産寸前の状況に陥落。
その後、全国の大手塾長の支援によって再び立ち上げた進学塾が、言うまでもなくこの「特進館学院」なのですが、以前の私は、自分が経営する塾を「どんどん大きくしていく」ことが最善策であると考え、ひたすらそのために邁進していました。
しかし考えてみると、「大きくする」という目標には終着点がありません。生徒数3000名超を達成すると、次は5000名、そして10000名、20000名…。いつまでたってもゴールがない。まるで頂上の見えない山に登るようなもの。おまけに、生徒たちとの距離もどんどん遠くなる…。会社を失い、6年前に再スタートをしてから、初めてこのことに気が付きました。
ですから、これからの特進館学院は、限りなく拡大する塾として生きるのではなく、生徒・保護者との距離が近い「誰よりも人を愛し、人を大切にする進学塾」として発展させていきたいと考えています。「頂上のない山」ではなく、「小さくても素敵な山」を目指します。だって、今がいちばん充実していますから♪
世界と日本の出会いと別れ【代表北村の教育ちょこっとコラム】
日本で1日に生まれる赤ちゃんの数は2,934人、死亡する人の数は3,279人。
その差は345人。若干ですが死者の方が上回っていて、このままでは将来の日本の人口減少は避けられなさそうです。
しかし世界の1日の出生数と死亡数を比較すると、出生数が死亡数を大きく上回り、驚くべきことに、出生数は死亡数の2倍以上の数になります。近年、その人口増加のスピードが、未来の食糧危機を引き起こすとも言われています。
人口増加の爆発的なスピードは、年代別の世界人口の変化を見ると一目瞭然です。
地球で養える世界人口は一部の学者の中で約80億人と言われていますが、その人口に到達するのは2024年予定です。食糧問題のタイムリミットは、刻一刻と迫ってきているのかもしれません。
世界の1日の〇〇ランキングを見ると中国が婚姻数・離婚数・死亡者数で断トツ。さすが世界人口数ナンバー1の13億人が生活している国だとうなずけます。ちなみに2022年以降は、インドが世界最多の国になると予想されています。