お母さん、誉めてください!【代表北村の教育ちょこっとコラム】

  先日、中間テストが終わった頃のお話し。ホールで中3のある生徒に、「すごい!5教科合計で50点以上も上がったやん」と称賛し、その後に、「お母さん、喜んだやろ!」と話しかけたところ、彼女から、「お母さん、『70点以上の教科がないからあかん』って言ってた」という返答が返ってきました。
確かに、彼女は決してお勉強が得意な生徒ではありません。5教科の平均点は50点そこそこ。だから、この春特進館に転塾し、中間テスト前は毎日のように自習室でがんばって、わからない事項は必ず質問に来てくれました。そして、見事に60点以上の平均点を勝ち取ったのです。なのに…。
彼女からの悲しい返答を聞いたとき、私は、「このお母さんって、この子が次の期末で70点平均を取っても、『80点ないからあかん』っていうのだろうなぁ…」という思いが、頭の中をよぎりました。
お母さん、お願いです!子どもたちは誉められて伸びるのです。塾の先生なんかより、子どもたち自身が一番誉めてもらいたい相手は誰なのかを、よく考えていただき、たとえ1点でも上がった教科があれば、悪い教科に目をつぶってでも、とにかくオーバーアクションで、我が子を誉めてあげてください。「すごい」、「やったね」、「うれしい」…。言葉は何でもかまいません。照れくさいなんて言わずに…。

「デジタル教科書」2020年度導入【代表北村の教育ちょこっとコラム】

子どもが学校で使う教科書をタブレット端末などに収めた「デジタル教科書」について、文部科学省の専門家会議は22日、2020年度に導入する案を示した。現在は副教材の扱いだが、文科省は17年度にも法改正して正式な教科書と位置づける方針。導入後しばらくは紙の教科書と併用する。音声や動画を活用することで、学習効果を高めることが期待できるという。紙の教科書のように無償化しない見通しで、家庭や国・自治体の負担が課題になる。教員の指導力向上なども欠かせない。専門家会議は16年末までに最終報告をまとめる。
学校教育法は、小中高校生は国の検定に合格した教科書を使う義務があると規定。デジタル教科書の正式導入には法改正が必要になる。文科省は小学校で英語が正式教科になる20年度に導入することで、発音の学習などでの活用もめざす。将来的に学習効果があると認められれば、デジタル教科書を主な教材として使うことも可能にする。どんな分野で教育効果が大きいかや、視力など健康への影響も検証する。教科書は数年に一度、国の検定を受ける。デジタル教科書については、検定に合格した紙の教科書の内容を、そのまま載せている場合は検定を受ける必要はない。音声や動画も検定の対象外とする。企業による端末や関連教材の開発、教室の無線LAN整備なども加速しそうだ。調査会社のシード・プランニング(東京)は15年度に52億円だった教育用タブレットの市場規模が、20年度には2120億円に拡がると予測している。

「定期テストは大量の提出物」

定期テストが近付くと、塾で学校の教材を使った学習に打ち込む中学生が増える。 ワークやプリント、ノートなどを期限までに提出する必要があるからだ。しかし、 そのボリュームが半端じゃない。国語の試験範囲は、教科書約 30 ページ分でも、 課題は問題集と漢字ドリルあわせて約 50 ページ分に文法プリント3枚、他に授業 の感想なども。英語は、教科書約 40 ページをすべて写し、自習ノートとワークを 約 50 ページ、単語が 10 ページ。さらに数学・理科・社会。期末前は副教科も…。
生徒たちが提出物に真面目に取り組むのは、それが自分の通知表に直結することを 身をもって知っているからだ。これがいわゆる〝内申〟に響いてくる。
塾では、試験範囲や提出物から生徒の学習作業を計画し、テスト準備がはかどるよう配慮しているが、考え方 や覚え方から勉強の仕方まで細かく指示される今どきの学習方法には、ちょっと疑問を感じてしまう。
かつての、難しい仕組みや事項を無理矢理頭にたたき込んで、当日勝負するスリリングな感覚と、的中した時 の達成感を味わえる学習方法は、今や「過去の遺物」となってしまったのだろうか。そんな指示に従いながらも、 一生懸命学習に打ち込む生徒たちが、かわいそうに思えてしまう今日この頃である。