長年この仕事をして感じることの一つに、「入試で絶対に落ちない人の共通点」があります。それは、「自分の答案をしっかりと覚えている」という点です。翌朝の新聞などで自己採点をするときに、「自分はどの問題が正解で、どの問題を間違ったか」をきちんと覚えている生徒で、今までに不合格になった者は、私の記憶では一人もいません。
結果論になるのかもしれませんが、自分の答えが頭に入っている生徒は、自らの理解度に責任を持っています。だから、同じ間違いを二度と繰り返しません。「何と答えたのか覚えていない」という無責任な生徒は、また同じ過ちを繰り返してしまう。たったそれだけの話です。
もう一つ、最近のスポーツの世界でメダルを獲ったり記録を更新したりする選手たちにも、ある一つの共通点が見られます。テレビの勝利者インタビューなどで、彼らが口をそろえて言う言葉。そう、「楽しかった!」の一言です。かつてのように、「試練の道を」、「血の汗流せ、涙をふくな」みたいな、巨人の星(古いっ)的コメントは、もう聞かれなくなりました。
受験生もアスリートも同様に、勝利する者は共通して〝自分の力と結果に責任〟を持ち、なおかつ〝楽しく〟やってのける。今は、そんな時代なのかもしれませんね。